2016年11月9日水曜日

違いを受け入れ楽しもう

横浜YMCA地域交流事業「Beginner’s Tour (ビギナーズツアー)」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
11月2日にモルドバ1(職業能力開発行政)、ベニン1、コートジボアール1、カメルーン1、ギニア1(事例から学ぶ沿岸水産資源の共同管理の実践)、トルコ2、アフガニスタン1(社会基盤整備における事業管理)の8名で馬車道駅から桜木町駅周辺を歩きながら日本の文化や周辺の地理、日常生活について学ぶツアーを行いました。
 既に日本に来てから数週間たつ研修員たちもいましたが、1人で歩いていたらわからないことや気がつかないことも多いので参加を決めたと話す人もいました。
みな桜木町駅は利用したことがあると話していましたが、歩いて馬車道駅につくとJICAから一番近いこの駅はまだ利用したことない人も多くいたので、改札口まで階段を下りていきました。駅の壁に飾られた大きな扉や柵を見つけた研修員は不思議そうにしていたので、駅の出来る前には銀行が建っていて、そこで使用されていた歴史的にも価値のある道具を展示していることを伝えました。銀行の金庫の扉に触れるのは初めてだと嬉しそうにハンドルを回す研修員もいました。使わなくなったから捨ててしまうのではなく、壁に飾るアイディアも面白いと感心していました。
馬車道通りにさしかかると雨が少し強くなり、急ぎ足で理髪店や中華料理店、居酒屋の店先を見ながら歩きました。居酒屋の前では焼き鳥の写真のメニューをみた研修員が、料理の内容を聞くと、トルコのシシケバブと同じだと驚いていました。日本の焼き鳥と同じで一口大の鶏肉を串にさし、グリルして食べるトルコで大変人気の料理だそうで、思いもかけず遠く離れた日本で、名前は違えど母国と同じ料理を見つけてとても嬉しそうにしていました。
次に立ち寄ったドラッグストアでは、普段買いたいと思っていてもなかなか見つけられない薬やボディクリームなどをお店の人にも質問して探しました。化粧品類はテスターが沢山あり、買う前に実際使って香りや使い心地を試せるのが素晴らしいと話していました。関節に痛みがあるので貼り薬を探していた研修員は、温感・冷感タイプの違いや成分の配合、量の違いによって価格の差があることに驚いていました。また、使い捨てカイロのコーナーを見つけた研修員たちからは何に使うものかと質問がありました。使い方を聞くと、特に女性の研修員たちは興味を持ったようで、熱心に見ていました。トルコの研修員は以前に貼るタイプの使い捨てカイロをもらったことがあるそうで、肩や腰の疲れたところに貼ると痛みが和らぐことを知っていました。研修員たちは日本の薬や化粧品に大変興味があるけれど、商品の説明が日本語のみで書かれているので探せなくて苦労すると話していました。それぞれ関心のある商品について色々と説明が聞けたので、次回は自分でもトライしてみると言っていました。
桜木町駅ではコレットマーレの地下にあるスーパーマーケットに立ち寄りました。野菜・果物コーナーでは研修員たちが初めて見る野菜も多くあり、みな興味深そうに見て回っていました。きのこの種類が多いことに驚いている研修員がいて、えのきとエリンギの太さの違いにもびっくりしていました。特に土のついた牛蒡に注目が集まり、「どうやって食べるのか?どんな野菜なのか?」と質問が止りませんでした。野菜の特徴や調理の方法を聞いた後もよほど珍しかったのかしばらくその場から離れませんでした。モルドバの研修員はきれいに束ねられた大葉に興味を持ったようで、写真を撮っていました。日本のハーブだと聞くと、是非いつか試してみたいと話していました。
スーパーマーケットを出てJICAへの帰り道では研修員たちが食べた鮎の話で盛り上がりまいた。研修先で初めて食べた鮎がとても美しく、美味しかったと話していました。残念ながらスーパーでは鮎は見つけられませんでしたが、改めて日本で売られている魚の種類の豊富さ、新鮮さに驚いていました。
短い時間ではありましたが、JICA周辺を散策しながら日本人の食生活や文化についていろいろと見て回ることができました。
YMCAデスクでは今後も様々な体験を通して日本の文化や歴史を学ぶ機会を作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美)