2016年9月23日金曜日

横浜での生活をはじめるにあたって

横浜YMCA 地域交流事業「Beginner’s Tour ビギナーズツアー」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 9月14日(水)にケニヤ1、エチオピア1(建設機械整備及び建設施工技術)、インターン1の計3名で、馬車道~桜木町周辺をめぐりながら日本に来て間もない研修員のための文化や日常生活について学ぶビギナーズツアーを行いました。 研修員たちは来日後、JICA横浜からほとんど外出する機会が無いそうで、見るものすべてが新鮮で、興味津々といった様子でした。 まず彼らの目に留まったのは大型のコインパーキングでした。多くの車が停まっているのに人影はなく、何のために停めているのかと不思議そうでした。日本の交通違反の取締りや罰金の話を聞くと驚いた様子で、多くの人がわざわざ駐車場に車を停める事に納得していました。大規模の駐車場が無人で、トラブルなく運営されるシステムにも驚いた様子で、駐車場に入っていく車の様子を注意深く見つめていました。
みなとみらい線の馬車道駅近くに来ると、地下鉄を見たことがないので是非、改札口まで降りて見てみたいとリクエストがあがりました。どこまでも続く下りのエスカレーターに加え、想像以上に広い空間が広がっていたことに研修員たちは興奮気味でした。改札口の奥に、プラットホームへと下りるエスカレーターが続いているのを見つけると、まだ下に続くなんて信じられない!と笑いながら、まるで地底探検のようだと話していました。
馬車道駅の見学の後は地上に戻り、馬車道通りの散策を続けました。通りには歴史的な建物がいくつも残っていて、研修員たちは歴史的に価値のある建物が現在も大切に使われていることや、回りの現代的な建物になじんで美しい街並みを作っていることに感心していました。通りの両側には様々な店、レストラン、居酒屋などが並び研修員たちにとっては日本人が普段どのような店を利用し、どのような食事を食べるのかを見ることができました。居酒屋のメニューを見た研修員は、彼らの国では生で魚を食べる習慣がないので刺身や寿司の写真に驚いていました。また日本では、生で魚を食べる以外にも焼いたり、揚げたりと様々な調理法があることを知り、これなら自分たちも挑戦できる!と喜んでいました。ケニヤには焼き鳥のように肉をくしに刺して野菜と一緒に食べる料理があるそうで、遠く離れた日本で共通点を見つけ親近感を感じていました。
大きなドラッグストアの前に差し掛かると、散歩中の人懐っこい犬が研修員たちのもとに近寄ってきて、飼い主さん、ワンちゃんとの交流タイムとなりました。飼い主さんからその犬が12才(人間で言うと70歳以上)の老犬だと聞くと、驚いた様子で犬を見つめていました。自宅で犬を飼っているという研修員は、自分の犬の話を話したり、日本での犬の散歩の様子をたずねたりと犬好きに国境は関係ないといった感じでした。
桜木町駅では、今後自分たちで横浜まで出かけられるようになりたいとのことだったので、券売機で実際に切符を購入する方法を確認しました。はじめは沢山あるボタンや、挿入口に戸惑った様子でしたが、英語の画面表示もあり、使ってみるとそれほど複雑ではないと安心していました。
最後にコレットマーレの地下にあるスーパーマーケットを見学しました。普段はJICA横浜で食事をとる研修員たちにとって日本の果物や野菜はどれも珍しく、次から次へと質問が飛び出しました。今、旬の梨や柿、栗は初めて見る食べ物で味や食感、産地にいたるまで興味は尽きませんでした。また、ジャガイモや玉ねぎ、キャベツといった世界共通に思える食べ物も研修員たちの母国のものとは形や色、大きさも異なり目新しかったようで、日本の食文化への興味が高まったようでした。
ツアーに参加した研修員は「自分たちだけで歩いていても気がつかない日本の文化や、食生活、日常生活の様々な情報を得ることが出来、大変勉強になりました」と感想を述べていました。
YMCAデスクでは今後も様々な体験を通して日本の文化や生活について学べる機会を作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田 真由美)