2015年11月19日木曜日

訪ねて、見て、きいて、感じること

横浜YMCA 地域交流事業「横浜YMCA 被災地訪問ツアー」参加のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めていただくなど、相互交流機会を設けています。
 11月14日~15日に、日系ブラジルの研修員3名(里山野生動物管理と里海の漁業管理制度、バイオテクノロジー、生物圏保存地域持続可能な開発)が横浜YMCA主催の被災地訪問ツアーに15人の市民と一緒にバスで宮城県・南三陸町と石巻市に行きました。
南三陸町では地域のオープンカフェや仮設住宅を訪ねて復興状況のお話を聞いたり、チューリップの球根を届けたり町を見学したりしました。
翌日の石巻市では大川小学校を尋ね、被災時の状況の話を伺いながら被災した学校を見ました。
また、大川中学校の跡地に野菜工場を建設し、水耕栽培の野菜を提供している「良葉東部」(イーハトーブ)を訪ね、実際の工場やソーラー設置の場所などの現場を見学しました。
 発芽から2~3週間でできるベビーリーフなどの生産工程を見学させてもらい、皆で試食させていただいた野菜は、とても柔らかく、復興への思いとともに、味わうことができました。
これらの野菜は、東京や横浜のホテルにも出荷されているそうです。
その後、被災後市民の情報交換や訪問客との交流を深めるために設立された「石巻復興まちづくり情報交流館」では館長のリチャード・ハルバーシュパットさんから被災から現在の状況について丁寧な説明を頂き見学しました。
震災後数年も経過しているとはいえ、研修員にとっては海外に伝わったニュースの情報だけでなく実際に現地を訪ねて、見て、聞いて、感じる海外に住む日系人ならではの想いもあったのかと思います。研修員は、「訪問した場所が好きで、貴重な経験に感謝です。」や「私にとってすべてが初めての経験でした。初めて日本の温泉と旅館の食事でしたし、傷ついた建物にはとても心を痛めました。 ニュースだけではなく人々がどのように地震と津波に対処したか実際知ることができました。私にとってとても豊かな経験になりました。」と目を潤ませながら大川小学校の話をしてくれたのは印象的でした。
JICA横浜-YMCAデスクでは今の日本について実際に体験して感じてもらえるような機会を作っていければと思います。
(JICA横浜ーYMCAデスク 石川 義彦)