2015年9月10日木曜日

総主事コラム プログ 2015年9月

「支え合う形」

人という字はお互いに
寄りかかり合い支え合って
形をつくっている。
そして、人は人の「間」にいて
はじめて「人間」になる。
人はひとりでは
生きていくことができない。
「ありがとう」と「どういたしまして」の繰り返しが
人間の生涯である。
(佐々木正美氏著作より)

 児童精神科医の佐々木正美先生は、かつて横浜YMCA常議員や厚木YMCA運営委員長を務められ、横浜YMCAの保育や子育て支援、発達障がい支援事業をお支えいただいている。研修会や講演会の中で、子どもの自立とは、自分で何でもできることではなく、人に頼れる力であり、同時に頼られる力である。人という字は、互いに寄りかかり支え合う相互依存の形で、その支え合う間のなかで「人間」になるといつも語っている。
 YMCAでは、体操や水泳が上手になることだけでなく、ほめられたり、ほめたり、助けられたり、助けたり、人と人の豊かな関係性を大切にしている。見えないけれど人との支え合う関係の豊かさを体感すると、知らない世界の人との支え合いにも拡がる。多くの人に支えられていることに気づき感謝できる人は、その恵みを多くの人に分かち合うことができる。
 秋から、経済的に困難な子どもたちの支援募金、障がい児のためのチャリティーラン募金、そして国際・地域協力募金が始まる。YMCAでは募金は募心といわれる。募金の意味を考え、支える人々への思いを深める心を育み、その心を募る運動として他者のために、自分の出来ることで支えるボランティア活動の一つとして捉えている。日常に多くの支えがあることに気付き、その感謝の思いを支え合う心につなげたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)