2015年7月10日金曜日

総主事コラム プログ 2015年7月

「自然の恵、心の恵」

ぱらぱらおちる雨よ雨よ
ぱらぱらと なぜおちる
かわいた土を
やわらかにして
きれいな花をさかすため
(2番省略)
きらきらひかる 星よ星よ
きらきらと なぜひかる
たびする人が くらい夜にも
迷わず道を行けるため
(こどもさんびか110番)

 幼稚園で歌い、60歳近くなった今でも梅雨の雨音を聞くと、つい口ずさんでしまうこどもさんびか110番だ。木造の園舎の軒下に大きなアジサイの花が咲き、ぱらぱら落ちる雨音の中歌った光景は、今も思い出す自分の原風景だ。
 雨降りで遊べなくても雨は、自然からの恵みの雨だと教えてくれる詩で、うっとうしい雨も輝いて見える。
 子どもは、大人と違って案外梅雨を楽しんでいる。合羽を着るのも長靴をはくのも楽しみだ。束の間の晴れ間に、水たまりでの水遊びに熱中して泥だらけになり、空を見上げると虹が出ていたりと自然の恵みを豊かに感じる季節だ。 
 ある夏のキャンプの夜、満天の星空でこの歌を歌った。きらきらひかる星を見ながら、「暗い夜にも迷わず道をゆけるため」と歌い、電気が無くても星空だけで明るい夜空に感動した。リーダーが、この詩は、「心の中の詩だよ」と教えてくれた。「えっ」と思った。大人になって多くの恵みに気付くとき「乾いた心を柔らかにして」と思う時があり、「暗くなっている時に明るく輝く星のように導いてくれる」ことを感じる時がある。大自然を創った創造主を感じ、多くの仲間とともに遊び歌い、仲間の喜びが自分の喜びになる。自分の喜びを共に喜んでくれる仲間の存在を知るキャンプが教えてくれたことは数多い。そんなキャンプをこの夏も過ごしてほしいと思う。
(横浜YMCA総主事 田口 努)