2024年7月2日火曜日

キャンプ100周年

今年は横浜YMCAキャンプ100周年である。最初のキャンプは1924年6月16日から8月31日まで、市川団十郎邸跡1万坪を無償で借り「YMCA雲雀ケ丘キャンプ村」として実施した。

このキャンプ開始の1年前には関東大震災があった。YMCAは9月1日の発災から10月31日までは震災救護事業として市民のための今でいうボランティアセンターを開設し、その後会館復旧などYMCAのための復興事業に移行した。YMCAは自ら被災しつつも市民のために働き、その後に自分たちのための活動を始めたところに、社会に・地域に・人びとに仕えるYMCAの姿を見る。

その後「大震災の時にデマによって不当にも迫害を受けた朝鮮の人々への慰安会を(中略)その輪を広げて中国の人々へも」とあるのは、1924年のYMCAクリスマス会のことである。横浜YMCAキャンプはそのクリスマス会の前、震災1年にかけて行われた。もともと大震災で傷ついた横浜の街を復興させようと懸命に働く青年たちや家族のためのレクリエーションといった保養としてのキャンプ場に、時を同じくして震災を経験した少年たちが心の保養のために参加するキャンプが「横浜YMCAキャンプの始まり」であることが誇らしい。

この四半世紀にも横浜YMCAでは、災害で被災された子どもたちの保養キャンプを企画・実施してきた。経験したことのない災害で傷ついた子どもたちの心を癒し、未来へ向かう希望を育むキャンプが、100年経った今も受け継がれている。今年もYMCAサマーキャンプが始まる。子どもたちには自然の中で日常を離れ、思いっきり楽しんでほしい。

(総主事 佐竹博)