2024年1月5日金曜日

「抱負」

 私がプールやキャンプを担当していたころの子どもたちに再会することがある。当時は大学生から20歳代前半、小学生たちとは文字通り大人と子どもだった。その子どもたちが40歳前後になり、大人同士として再会する。「リーダー」と呼ばれることに少し心にくすぐったさを感じながら、大人になった「子どもたち」との再会は、YMCAに長く勤めていて良かったと思えることの一つである。一人ひとりの思い出は褒められたこと、叱られたこと、できたことなどそれぞれにあり、思い出話しに花が咲く。若い時の私が、当時きちんと子どもたちに接することができていたのか、成長した姿を見てほっとすると同時に、関わった多くの子どもたちの成長に大きな責任がある、と、みんなの今が気になりだす。

 新春対談をした益子直美さんは、怒る指導者がなかなか減らないのは、指導においては大声を出す、あるいは叱ることが簡単だと思っているからなのではないかと分析していた。指摘を繰り返し、自分の思い通りにする簡単な方法ではなく、良いところを見つけ、ほめ、考えさせることが大切であるということだ。見つけること、言葉に出してほめること、考えるきっかけを与えること、そのために指導者は勉強し、同時に語彙を増やしていくことが大切なのだと。そのような環境で育った子どもたちは仲間に対して、スポーツ以外の場面でも、成長してからも、相手の良いところを見つけ認める人になっていくだろう。大人の善い行いが次の世代へつながる。この連鎖が社会を変え、平和へとつながっていくことを信じたい。

 これからも学び続け、語彙を増やし意識して言葉にして行動していきたい。「アレ」もよいが、私は、今年も「言葉に出して実践する」を新年の抱負とする。

(総主事 佐竹 博)