2020年4月15日水曜日

こころ丸くなる青空


「今日の天気は晴れ
、こころのとげも丸くなる青空です」車を始動した時にカーナビが発した言葉である。一般的なそして機械的な声音であったが、思わず発進を止めてメモを取った。
時にCOVID
-19(新型コロナウィルス)禍の最中のことである。ふとフロントガラス越しに空を見上げ、その通りの青空を見た。どこへ行ってもマスク姿ばかりの光景、見えないウイルスに言い知れぬ不安を抱え、YMCAの参加者、利用者、そのご家族、そして職員、パートタイム、ボランティアの方など関係者の安全と無事を祈る日々を過ごす中での出来事だった。青空を見て文字通り、こころが丸くなったようなほっとしたひと時を味わった。そんな瞬間を機械に教えてもらった形である。

AIが進化しているとはいえ、このような気の利いたメッセージが自然と出たわけではないと思う。あらゆるシチュエーションの組み合わせと、メッセージを作った製作者のセンスに驚いた。製作者は誰かのことを想ってこの文章を組み込んだのだろうか。

YMCAでは、違いを認め共に生きることを目指し、他者に寄り添い、想いをはせる気持ちを持ちたい、育てたいと思いつつ活動を展開している。

ひとり
が「よくなる」とその人と出会った誰かが嬉しくなりその人も「よくなる」、そして「よくなる」連鎖は社会や世界を変えて平和を形にする原動力となる。

新しい年度が始まった。YMCAのブランディングの冒頭の言葉「ひとりがよくなると世界はきっと変わる」の実現を目指して「思いをはせる」誰かが「よくなる」ことを願い、さまざまな活動を通して取り組んでいく。


(横浜YMCA総主事 佐竹 博)