2019年12月19日木曜日

思いをこめて


「愛が生まれる日」
クリスマスは、今日で終わる
わけではありません。
わたしたちの心に愛が生まれ
それが笑顔や
思いやりとなって
この地上に姿を現すなら
毎日がクリスマスなのです。
愛が生まれる日
それがクリスマスなのです。
(片柳弘史 神父)


過去に例を見ない記録的な災害が続いた2019年もあわただしくクリスマスを迎えようとしている。床上まで浸水した家では、まだ復興に至らず寒い冬空の中、2階だけの生活や、避難先でクリスマスを迎える方が多い。

横浜YMCAも長野県や福島県いわき市にボランティアを派遣し、微力ながら復興支援の活動を行っている。

いわき市の天井まで浸水した保育園を訪ねたが、床や天井まで泥水で浸かり、床は膨らみ、天井裏の断熱材は、水をたっぷり含み二度と使えないことが分かった。別の場所を借りて被災から一カ月後に仮園舎で再開した。園は1年から2年後に建て直すと聞いた。絵本や教材もすべて水没で廃棄。わずかに残った遊具の洗浄、消毒を必死で行う保育士から疲れがにじみ出ていた。保育士の家も被災しているという。その姿を見て、横浜YMCAの保育事業では、絵本を贈る運動をはじめた。絵本を届けて本の整理や読み聞かせの活動を行い、被災保育園の保育士を少しでも休ませたいという思いからだ。

被災地を訪ね、見て、聞いて、私の想像力の無さを知る。この地域だけでも同様の保育園や幼稚園が4園あるという。

困難の中にいる子どもたちとそれを守り育てる人びとに一人でも笑顔が広がるよう絵本を贈る運動に、愛が生まれる思いがする。毎日がクリスマスとなるように。


(横浜YMCA総主事 田口 努)