本当にか弱い
この世界はあまりにも広すぎる
だから手をつなぎませんか
そうして生きていきませんか
わたしもまた悲しくて
いつも手探りしています
あなたと同じなのです
分かち合いませんか
大地よ 静まれ どうか
祈りを涙を分かり合いませんか
「揺れ」(作詞 和合亮一)
昨年の北海道の地震から一カ月目に、北海道新聞に「福島から北海道のみなさまへ」というお見舞いの4編の詩が掲載され、そのひとつがこの「揺れ」だ。他に「決意のあいだ」「祈り」「牛と」という詩があり、どの詩も心を打つ。
詩の掲載の費用をサポートした団体名を見ると、福島県全てにおよぶ地名の企業、自治体、ボランティアグループなど44団体の北海道を応援する思いがあふれているのを感じる。
東日本大震災から8年目を迎えるが、まだ復興半ばで全国の避難者5万3千人のうち、福島県だけで4万2千人にのぼる。地震、津波に加えて原発事故による帰宅困難地域が存在し、今でも福島のテレビや新聞で放射線量測定値が報道されている。
福島の人びとは「いつも手探り」という言葉の通り過ごしているが、全国からの励ましに感謝しつつ、各地での災害を自分事に置き換え、思いを込めてエールを北海道に送ったのだと思う。被災地のこれからの苦難を忘れないでという思いもあるのだろう。
横浜YMCAは、未だに自然の中で十分に遊べない福島の幼稚園や保育園の子どもたちを富士山YMCAに招く活動を続け、被災者を忘れない、つながる活動を続けていく。
(横浜YMCA総主事 田口 努)