2017年3月13日月曜日

馬車道あたりを歩いてみると

横浜YMCA地域交流事業「Beginner's Tour (ビギナーズツアー)」実施のご報告
 横浜YMCA では、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 3月8日にジョージア、エジプト(グローバル保健医療政策担当者の政策案立案強化)、ガンビア(水産冷凍機器の保守管理)、アフガニスタン5の8名で、馬車道駅から桜木町駅周辺を歩いてめぐるビギナーズツアーを行いました。
 研修員たちはすでに近隣のショッピングモールや東京へは、自分たちで買い物や観光に出掛けていましたが、JICA近くの馬車道駅周辺は歩いたことがないと話していたので、馬車道通り沿いに残る歴史的建築物を確認しながら散策し、横浜の開港から現在までの歴史や現代の市民の生活の様子について学びました。
 横浜港からほど近く、開港後は貿易・経済の中心として発展した歴史を持つ馬車道周辺にはかつて銀行として建てられた建物が多く残されています。研修員たちはそれらの歴史的に価値の高い建物が現在も美しく保存され、新しい目的で再利用されているところに大いに感動していました。通りの名前の由来にもなっている馬車や、日本に始めて導入されたガス灯など横浜の歴史を感じられるものを見つけると、現代の街並みから160年前の風景を想像して楽しんでいました。
居酒屋の前ではメニューを見ながら普段、日本人が仕事の後などにどのように友人と過ごすか、海外ではどうかなどの話で盛り上がりました。特にお酒のメニューを見つけて興味を持った研修員には日本酒と焼酎の原料や作り方の違いを説明しました。作り方がビールやウォッカに似ていると聞くと、「なるほど!面白い」とその後訪れたドラッグストアの酒コーナーで早速、確認していました。日本の滞在中に味噌汁が好きになったと話す金衆院は母国の家族にとたくさんのインスタントみそ汁を購入していました。日本の食品やお酒には研修員も興味があるようで、材料は何が使われているのか、同じように見える商品の味の違いなど熱心に調べていました。
桜木町駅近くでは日本丸メモリアルパークに立ち寄りました。駅のすぐそばにあるのに意外と気が付いていなかった研修員もいて、ビルの間に突如現れた巨大な船に驚いていました。「この船は動くよね?山下公園に泊まっているのを見たよ」と氷川丸と同じ船だと勘違いしていた研修員もいました。それぞれの船に歴史があり、現在も横浜を訪れる人々に愛され、大切にされていると聞くと、帰国するまでの間に見学してみようと話していました。
ツアーに参加した研修員は「馬車道はJICA横浜のすぐそばにあるのに訪れたことがなかった場所だったが、色々な話を聞きながらまわれてとても勉強になった。」と感想を述べていました。
 YMCAではこれからもJICA横浜の近隣の地理や歴史を伝えながら、研修員たちが日本の文化・暮らしについて理解を深められるようなツアーを行っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 石川義彦)