2017年3月1日水曜日

ご当地プログラム~横浜開港と日本の近代化~

JICA-YMCAデスク 横浜ご当地プログラム「横浜ヒストリーツアー」実施のご報告
 JICA-YMCAデスクでは新しい取り組みとして、横浜を訪問するJICA外国人研修員を対象に、横浜の歴史及び開港から現代への日本の近代化への貢献について学ぶとともに日本への親しみと理解を深め、国際協力に向けての友好的関係を築き平和への礎となる働きを目指すための、横浜ご当地プログラム「横浜ヒストリーツアー」を試行しています。
この度、2月18日には、港湾戦略運営研修に参加する研修員13名が参加しました。ツアーに出発する前にJICAプラザにて、スライドなどを見ながら開港からの歴史について説明を受けました。その後、海外移住資料館へ移動して日系移民の歴史についての展示を見学し、バスにて市内の歴史的建物や場所を巡るツアーに出発しました。
最初に横浜開港のスタート地点でもある象の鼻パークを訪れました。桟橋の名前の由来や港の移り変わりについてパネルを見ながら確認しました。パーク周辺には横浜税関を始め横浜三塔と呼ばれる100年近い歴史を持つ建物も多く、その美しさに研修員たちも思わず足を止め写真を撮っていました。
次に横浜開港資料館を訪れ、開港に至る歴史や当時の人々の暮らしに関する展示を見学しました。開港当時の運上所の様子を表したミニチュアを見つけた研修員は、人々の衣服や容姿から日本人、西洋人、中国人の関係性や仕事の様子がよくわかると熱心に見ていました。また、同じ敷地内にある旧館は、イギリス領事館として使われていた部屋の一部を一般に公開しており、そちらもあわせて見学しました。
資料館の後は中華街へ移動し、150年前から現代まで多くの人で賑わう活気ある街並みを歩きました。中華街では中国寺院の一つ“関帝廟”を訪れました。研修員たちは大きな門や色鮮やかな屋根の装飾、参拝者の様子など初めて見る中国寺院の迫力に圧倒されていました。
 中華街は土曜日の午後とあって通りは多くの観光客であふれかえっていて、食べ歩きを楽しむ観光客も多く、研修員たちも焼き栗を買ったり店先から商店をのぞいてみたりと散策を楽しんでいました。中華街散策後は山下公園へ出て、しばらく自由時間としました。それぞれ山下公園の地図を片手に氷川丸やフラワーガーデン、赤い靴の像など自由に観賞しました。ただ当日は大変寒く、早々に切り上げてバスに乗り込むことに。
バスに乗車後は車窓から見える山手の外国人居留地の公園や教会、外国人墓地を楽しみました。その後ベイブリッジを渡り本牧ふ頭や大黒ふ頭の様子を見学した後、みなとみらいへ戻りツアーは終了となりました。
ツアーに参加した研修員は、街の中に残された歴史の跡を巡りながら開港から現在までの横浜の歩みを知ることが出来たようでした。街並みの中に関東大震災の記憶としてひっそりと残されているレンガ造りの壁を見つけた研修員からは「本当に大震災が起こったんですね。ツアーに出て初めて気が付きました。今の美しい街並みからは想像できませんでした」と驚きの声が上がりました。
これからもYMCAでは、各地から横浜にきたJICA研修員の皆さんに横浜の歴史やみなとみらいの魅力をたくさん知ってもらえるようなツアーを行っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)