2016年8月13日土曜日

あつくて寒い1日でした。

横浜YMCA地域交流事業「Yamanashi Bus Tour! Let's visit the fifth station of Mt. Fuji and Ice Cave」実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
8月7日(日)にブラジル2(医療材料と再生医療)(家畜感染症及び人獣共通感染症の診断予防技術)、マレーシア5(機械工学)(こじま乗船研修)、フィリピン2(こじま乗船研修)、ラオス1(情報工学)、アフガニスタン1(生命ナノシステム科学研究所)、の11名で山梨県側から富士山5合目と鳴沢氷穴へ行ってきました。
 最初に富士世界遺産センターで、富士山の歴史や自然環境について紹介するビデオを観て、これから登っていく富士山について学びました。映画を観る研修員たちの表情は真剣で、世界遺産でもある神聖な領域にいよいよ足を踏み入れることへの緊張感を感じました。
世界遺産センターを出てバスがどんどん富士山を登っていくと、雲の中を走ることも多くなり、バスの周りが雲で真っ白になって何も見えなくなると研修員たちからは驚きの声が上がりました。
5合目に到着してバスを降りると外の空気はひんやりしていて、ある研修員は「温度がぜんぜん違うね。夏じゃないみたいだ。これが富士山なんだね!」興奮気味に話していました。その後はしばらく自由散策となりました。
神社に行ってお守りを購入したり、観光客があふれる5合目の様子を写真に撮ったり、家族へのお土産を探したりと短い滞在時間ではありましたが研修員達は思い思いの時間を過ごしました。
5合目散策後は富士山を下り、レストランで山梨県の郷土料理でもあるほうとうを食べました。
席に着くと頭がすっぽり入ってしまうくらいの大きな鍋で一人分ずつ運ばれてくるほうとうの量に、研修員達は一気にざわつきました。「これは一人分なの?シェアして食べるものではないのですか?」や、「全部食べ終わるのに1日、いや2日かかるよ」など驚きの声があちこちから上がりました。
日本に長く滞在している研修員もほうとうを食べるのは初めてだったようで、「この麺はどうやって作っているの?固めだけど材料は何だろう」と興味深そうに食べていました。日本の七味にも積極的に挑戦し、「ぜんぜん辛くないよ。でも美味しい」と、たくさんかけて自分なりのアレンジを楽しんでいました。熱々のほうとうに皆、汗をかきながらも笑顔で「富士山と一緒にこのほうとうは絶対に忘れられないよ」と話していました。
汗だくの昼食後は研修員お待ちかねのの鳴沢氷穴へ向かいました。真夏でも氷穴内部は0度近くになると聞いていたので、皆、長袖持参で臨みました。
始めは「本当にそんなに寒いの?」と半信半疑だった研修員も、穴の中へと階段を下りてどんどん気温が下がっていくと慌てて上着を着ていました。氷穴内部は薄暗く、腰をかがめないと通れない狭い通路もあり、体格の大きな研修員は苦労して進んでいました。 長いトンネルを抜けて氷の塊が目の前に現れると研修員達からは歓声が上がりました。真夏に見る天然の氷に触れて冷たさを確かめたり、写真を撮ったりと初めて見る光景に目を輝かせていました。「氷穴の中はとっても寒いね。想像していたよりずっと寒かったよ」とかじかんだ手を見つめる研修員もいました。また別の研修員は氷穴の周りにある苔むした溶岩をみつけて「何百年、何千年も前の噴火でこの氷穴は出来たんですね。自然の力はすごいですね」とはるか昔に想いを馳せていました。氷穴から出てくると、真夏の世界が待っていましたが、自国では雪や氷とは馴染みがない研修員たちは、ひと時の氷の世界を楽しんだようでした。
急ぎ足で回った山梨、富士山ツアーでしたが富士山の歴史や自然、山梨の魅力に触れることの出来た旅となりました。研修員からも後日、「素晴らしい経験が出来ました。この機会がなかったら富士山には登れなかったです。
 この体験を帰国したら家族や友達にも話します」と感想がありました。
YMCAデスクでは今後も様々な体験を通して日本の自然や文化を学ぶ機会を作っていきたいと思います。
(JICA横浜-YMCAデスク 野田 真由美、石川 義彦)