2016年7月5日火曜日

防災センターとランチ交流

横浜YMCA 地域交流事業「Disaster risk reduction learning center & Lunch party 防災センターとランチパーティ-」プログラム実施のご報告
 横浜YMCAでは、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
6月25日に、スリランカ4(港湾開発・計画、漁業コミュニティ開発計画)、フィリピン1(船舶と安全)、アフガニスタン1(生命ナノシステム研究)の6名が一般の2名と横浜市防災センターに行き、帰りに近くのYMCA ACTでのランチ交流会に参加しました。

今年度新しくなった横浜市防災センターでは、将来、横浜に起こると想定されている地震について、またその地震や災害が起こった時にどのような行動をとるべきかを学んできました。センターでは他の一般参加者の人達と一緒に約1時間のツアーに参加し、火災時の初期消火の方法や煙の中から脱出する方法、家にいるときに災害が起こった時の対処の仕方などを映像とシミュレーターを使っての体験を交えながら、学びました。
消火器を使っての初期消火の訓練では、火災を発見したらまず大きな声で周囲に知らせて消火するように説明をうけると、他の日本人参加者に負けないくらい大きな声で「ファイヤー!」と叫んで熱心に消火訓練をしていました。
 また、煙のシミュレーターでは火災時に建物内に煙がどのように広がっていくかを見た後、実際にその煙の中を歩いて通り抜ける体験をしました。
鼻と口を布でしっかりと覆い体を低くしながら煙の中を歩きました。想像以上の視界の悪さに驚きつつ、その中でもはっきりとみえる非常口誘導灯がとても印象に残っていたようで、外に出てからも館内の他の誘導灯を確認していました。
 災害シアターでは、将来、起こると想定されている大地震がもし、横浜市に起きたらどうなるかを描いた映画を観ました。180度の大スクリーンで観る地震や火事の映像の迫力に研修員たちも言葉を失っていました。
 映画の後には地震シミュレーターで、過去に日本で起こった様々な大地震の揺れを体験しました。特に5年前の東日本大震災は研修員たちもよく知っているようで、真剣な表情で手すりを強く握りしめていました。また、ビルの高層階で起こる長周期振動の大きな横揺れには研修員たちも思わず声をあげて体を支えるのに必死でした。東日本大震災ではこの長周期振動が3分近く続いたと聞き、とても驚いていました。
最後にツアーのおさらいとして、全員でコンピュータークイズに挑戦しました。意外と難しい質問に何度も挑戦する研修員もいました。
自分の国でも地震が多い研修員にとってはどの体験も身近なテーマでわかりやすく、是非自分の国の人たちにも体験させてあげたいと話していました。また、あまり地震が起きない国の研修員たちにとっても日本に来て地震のニュースを目にする機会が増え、地震や火事について考えるよい機会になったようです。ニュースで震度5と聞いた時にどれくらいの揺れか想像できるようになったとも話していました。
帰りに非常用の保存飲料水と保存チョコパンの缶詰をもらいました。以前は保存食に乾パンを使用していたが、東日本大震災の時に、ご年配の方は固すぎて食べられなかった経験から柔らかいパンに変更したと伺い、過去の経験から常に改良点を見つけ出そうとする日本人の姿勢に感心していました。
その後、近くのYMCA ACTへ移動し、ACT主催のランチパーティーに参加し交流しました。日本人の方々が用意してくださった食事に研修員たちは興味津々で、「これは何?何が入っているの?」と色々質問をしながら初めて見る日本食に挑戦していました。「初めて食べたけど、どれもおいしかった」と心温まる皆さんのおもてなしに感激していました。食事の後もそれぞれ自分の国の話や研修の話など日本人参加者との話も弾み、素晴らしい交流会となりました。
研修員からは「災害の被害を縮小するための防災センタープログラムに参加できて良い経験になり、学べた機会にとても満足しています。日本の友人とも交流できてうれしかったです。
楽しみながら沢山の知識を得て、組織化されたプログラムに参加できました、どうもありがとう。」
との感想がありました。
 YMCAデスクでは今後も日本(横浜)を感じて学べる機会を作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田 真由美、石川 義彦)