今年の夏も、横浜YMCA地球市民育成プログラム「グローバル・スタディーツアーinタイ2025」を8月7日から19日の期間で開催しました。高校生から社会人までの計12名がタイ王国北部を訪れ、バンコクYMCAパヤオセンター、チェンマイYMCAでのプログラムを通して多くのことを学ぶ機会となりました。
北タイに降り立った参加者は、タイ北部チェンライ県で、ラオス、ミャンマーとの国境エリアを訪れ、外国資本による開発の状況や、不安定な状況下で働かされる人びとの状況についてバンコクYMCAスタッフより話を伺いました。島国の日本に住む私たちは、川の向こうに見える土地が外国であるという状況を目の当たりにし、国境の持つ意味を改めて考えることとなりました。
山岳民族の子どもたちが共同生活を送っているパヤオセンターでは、参加者を歓迎してウェルカムパーティーを開いてくれました。参加者は事前研修で勉強していったタイ語で自己紹介をすることができました。
子どもたちはツアー参加者の訪問を心待ちにしていて、プログラムを通してたくさんの交流をすることができました。お互いにタイ語や日本語を教えあったり、横浜YMCAで紹介しているパヤオクラフトを一緒に作ったりもしました。また、田んぼではセンターの子どもたちと一緒にカニを捕まえたり、子どもたちの普段の生活を感じる機会もありました。
ツアー直前に降った大雨の影響で、ホームステイをするはずだった山岳民族の村を訪れることができず、急遽、パヤオセンターの近くの村にホームステイをすることになりました。タイの農村の暮らしを体感することができたのもまたよい経験となったようです。
子どもたちとのお別れの後は、タイ第2の都市チェンマイを訪問しました。チェンマイYMCAが運営する環境教育施設であるサオヒンYMCAでは、タイにおける環境問題について学ぶとともに、環境問題は国境を越える社会課題であること、自分たちの日々の暮らしにも直結していることを学びました。
また、第二次世界大戦時の日本軍慰霊碑への訪問を通して、今につながる戦争と平和について思いを馳せる時間を持ちました。慰霊碑は現地の学校の敷地内にあり、学校で日本語を学ぶ学生たちとの交流の時間もありました。
一つひとつのプログラムを通して、参加者の心の中に生じた想いや疑問が、これからの未来を良くしていくきっかけになることと思います。
国際・地域事業 油井・柳原