「supporting from behind」
最近いただいたタオルに書いてあった。そのタオルにはある漫画のワンシーンがプリントされていた。作者は二人、メガネがトレードマークの少年を、未来から来たネコ型ロボットが、ポケットから出す解決道具で支えるストーリー。漫画のタイトルは支える側の「未来から来たネコ型ロボット」だが、私が主人公と思っているのはこの少年であり、この主人公の名前が、私のYMCAリーダーとしての呼び名であることからこのタオルを送ってくださったのだろうと想像している。
絵の配置は、机に向かい、本を開く少年の後ろに、ハートマークが2つ飛び出るほどの微笑みで「ネコ型…」が立っている。その背景に冒頭の英文は書かれている。この物語は大体のエピソードが、困って泣きつく少年に、未来の道具を使い「積極的に助ける」イメージでいたが、このタオルの絵を見て、本来は自主性を重んじ、暖かく見守り、そっと後ろから支えているスタンスもあったのだと新たな見方を発見した。
この夏、感染症対策と熱中症対策を徹底的に行い、夏のキャンプを富士山と三浦の両YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジで実施した。約180人の参加者は、大きな声でキャンプソングを歌えなかったが、多様なアクティビティーと仲間との生活を楽しんだ。リーダーたちは生活を共にし、グループを見守り、時に解決方法を示し、時にヒントを与え、後ろからも支えた。
「共に」という言葉が今は主流であり、YMCAでも「伴走」という表現を使うことが多くなった。見えるところにいて共に進むことも大事と認めつつ、自主性を尊重し後ろから支えることは、とても高度だが必要な関わり方だと改めて思う。
(横浜YMCA総主事 佐竹博)