2020年8月7日金曜日

ポジティブネット


青年、ウエルネス、キャンプ、YMCAは新しい単語を普及させてきた。ウエルネスとキャンプはすでに存在していた単語だが、使ううちにYMCA活動の代名詞ともいえる位置づけになった。


青年はYMCAから生まれた単語である。社会に何かを伝える時にその単語が、説得力や影響力をもって人びとの心に伝わり浸透していく力を、YMCAの歴史の中で知ることができる。新語は、初めに違和感があってもいつのまにか自分でも便利に使用していることに気づく。YMCAは時代や社会の変化を敏感に感じ取り、言葉も有効に用いて発信を続けている。「ポジティブネット」もYMCAが世に送り出したばかりの単語だが、「青年」のような代え難い単語となり浸透することを願う。


日本YMCAで注力する事業領域紹介の最後は「社会貢献」である。単語として新しさに欠け、インパクトはYMCAらしくないかもしれないが、YMCAの社会貢献は奥が深い。日本YMCA同盟発行の小冊子には「地域基盤となる社会貢献」と表現され、日々展開しているプログラムのほかにも、災害支援、いじめの問題を考える、平和のための世界会議など社会・世界といった視野を持ち、現代社会の課題解決と将来想定される課題の回避に、挑戦し続けていることが紹介されている。

YMCAのすべてのプログラムが地域や社会の課題解決に対する取り組み「公益に資する活動」である。取り組んだ社会課題が、どのように解決に向かったかは、遠い将来に答えが出るのかもしれない。今私たちが挑戦している課題は何であるかを示しつつ、賛同・協働していただけるように全国のYMCAとともに、地域社会とともに、これからも活動を展開していく。

(横浜YMCA総主事 佐竹 博)