木陰で泣いていたのは誰
一人一人慰めるように
誰かが呼んでいる
喜びを数えたら
あなたでいっぱい
帰り道照らしたのは
思い出のかげぼうし (中略)
パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ
かかと弾ませこの指止まれ
(作詞・作曲 米津玄師)
一年後に、2020オリンピック・パラリンピックが始まる。応援ソングをNHKから依頼されて米津さんが作詞・作曲して子どもたちに大人気になっている「パプリカ」の詩の2番だ。YMCAの保育園の卒園式で、わくわく感がみなぎる「パプリ~カ」と手のつぼみから花がパッと咲く踊りを見て初めて知った。
誰もが歌い踊ることができ、みんなを励まし元気になる歌にという依頼があり、歌を作る前に5人の子どもと触れ合い、そのイマジネーションから誕生した歌だ。
米津さんのアーティストの原点でもある子ども時代の恵まれた豊かな時間と、その祝福された時を過ごした小さな原体験が、人生のあらゆる場面で大きな力となり自分を励まし、人びとを励ますと、あえてがんばれと言わない応援ソングにしたという。
パプリカの曲名は、絵本のようにそれぞれがイメージを創造してほしいと語っている。パプリカの花言葉は「君を忘れない」だ。
料理に彩りを添えるように人生に彩りを添える夢の種をまき、思い出のかげぼうしいっぱいの夏であってほしい。みんなの夢をつなぐようこの指とまれと叫んでほしい。この指とまれから新たな世界がひろがりはじまる。
(横浜YMCA総主事 田口 努)