上手くいかない夜
公園のベンチでふと
見上げた空はとても広くて
何もかも投げ出せば
楽になるのかな
そんなはずは無いのは、
わかっている
踏ん張って、食いしばって
強くありたいと
誰もが走ってる
限りある命をもらったから
僕達は生まれてきたんだから
今が、どんなに険しい山でも
救いはあるはずと信じたい
たくさんの人が生きる世界で
僕達は、こうして出会えた
同じ時代にあなたが生まれた奇跡にありがとう
(作詞・作曲庭瀬幸一郎)
「Link~出会えた奇跡にありがとう」といういじめに取り組むピンクシャツデーに寄せて作詞された庭瀬さんの詩だ。小中高生で自死する子どもは年間357人。つまり毎日一人の子どもが自死する社会なのだ。大学生を含めると年間817人の若者が自死するのは世界でもまれだ。
若者が輝かない社会に未来はない。なぜ自死するのか。ほんの小さな人との違いを差別し、偏見の中でいじめがはじまる。いじめに加わると今度は、自分がいじめられないようエスカレートする。最悪な場合は自死にまで負の悪循環が高まる。取り巻く仲間や大人たちの傍観や不用意な行動、言葉が駆り立てることも少なくない。
いじめの始まりは子どもの集団のストレスからという意見もあるが、大人の社会の閉塞感を映し出しているのかもしれない。多様性を認め、個性を尊重し合い、いじめの問題を自分事として弱くされている人に「Link」すると宣言する「ピンクシャツデー」の思いで毎日を過ごしたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)