2017年9月10日日曜日

SPIRITを育む

SPIRITとは、その人の精神にドライブをかけていく力で、誰にでも備わっているものです。その力は、木の葉が風に吹かれて揺れているのを見ないと空気の存在が分からないように、人生の中で大きな試練を受ける時にスピリチャリティ(魂)、精神が存在をしているかということが初めて分かるものです。それは、風のような空気のようなものでありながら、その人の人間としてのあり方を作り上げる一番基本的で大切なものです。人を真に生きさせるための原動力になるものです。その人の人生の方向付けを、そして本当の姿を示すものです。    
(日野原重明)


 7月に105歳で天に召された日野原重明さんが横浜YMCAで講演された際、中学時代からYMCA会員でキャンプに参加され、大学時代には御殿場のYMCA東山荘で全国の青年たちと語り合い、自らのSPIRITが育まれたことを伺った。
 WHOは、健康とは身体的、心理的、社会的に加えてSPIRITの上でも良い状態であることを健康と定義している。
 日野原さんは、世界中のYMCAの略章の一部に必ずある逆三角形には、BODY(身体)、MIND(知性)が両辺にあり、その上辺のSPIRITが両辺を支えバランスを取り自立し、SPIRITの重要性を示していると述べられた。さらに正章の逆三角形内に書かれている「みんなのものがひとつになるために」の聖句にある、共に生きる社会を創ることは「他者のために思いと行動に費やした時間、人とともにどれだけの時間を分け合ったかによって人間としての証がなされるようなこと」と語っている。SPIRITを育み合うYMCAでありたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)