2017年8月10日木曜日

総主事コラム ブログ 2017年8月

先達をしのぶ

どんな子にも
必ずいいところがある
いいところを見つけて
伸ばしてあげる
これが教育である
弱点は容易に
修正できないから
(佐々木正美)


 このコラムで何度も言葉を引用した佐々木正美先生が6月末に天に召された。横浜YMCA常議員、厚木YMCA運営委員長を歴任し、YMCAの発達支援や子育て支援事業を支えていただいた。先生は、精神科医エリクソンのライフサイクル、人間の誕生から老年期まで発達段階があり、その基盤である幼少期の子育ての大切さを語っておられた。
 老年期は、人生の統合、完成期だが、それまで培った経験と英知を活かし、社会や人びとに仕えるような生涯の締めくくりの時と聞いた。佐々木先生は、昨年本を出版し子育てブログを春先まで記し、人びとに希望を与え続けた。
 7月に横浜YMCAにゆかりのある100才を超えたお二人も天に召された。お一人は、100歳でブログデビューした俳人の金原まさ子さん(106歳)。平和の川柳の選者で今年も子どもたちの川柳を楽しみにしていた。
 もう一方は、日野原重明先生でYMCAの指導者として大先輩である。先生が唱えた全人医療の土台は、YMCAの三角ロゴに示された全人教育だと横浜YMCAの講演会で自ら三角ロゴを描き、一番上のスピリットが最も重要で肉体は衰えてもスピリットは、人生の最後まで成長すると語り、105歳になるまで新たな挑戦をし、講演や著書で多くの人に希望を与え続けた。
 三人の先達をしのびつつ、エリクソンの完成期を豊かに生き、子ども時代のいいところを神様からの賜物とした人生だったのではと思う。
(横浜YMCA総主事 田口 努)