2017年6月10日土曜日

総主事コラム ブログ 2017年6月

そらにむかって

森へはいりこむと
いまさらながら
ものというものが
みいんな
そらをさし
そらをさしているのに
おどろいた
(作詞 八木重吉)

 5月14日、横浜YMCAが運営する富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ(朝霧高原)が開設10周年を迎え、大感謝祭が行われた。13坪、東京ドーム9個分の大草原、そして眼前に見える富士山の稜線が駿河湾まで続く雄大な大自然を100年後の未来の子どもたちにプレゼントする思いで、多くの人びとの募金によって設置された。環境教育、体験学習の場として、青少年の創造力を育む無限の可能性を秘めている。
 大感謝祭では、大草原を使ったマウンテンバイク・ボード、乗馬などが行われ、富士宮焼そばなど食事やクラフト、バザーコナーもあり多くの人で賑わった。メインホール前の2本の16メートルのケヤキの木では、ツリーイングが行われ、一本の木に10名程度が一人ひとり、ロープに宙づりになりながら、少しずつ自分の力で、上へ上へと登り始める。途中で鳥のように羽ばたいたり、体を動かしながら高さに順応するようで、10メートル以上の高さまで登っている。降りては別の枝に挑戦する子もいる。
 子どもが鈴なりのケヤキにあぜんとしながらも、目を輝かせて上へ、上へと登ろうとする姿に未来を感じ、私の大好きなこの詩を想い出した。森の木々や草花が太陽の光に向かって上へ上へとそらをさしている。それは希望の光。未来に向かっているように見える。森の自然に溶け込み、森の妖精のような子どもたちの姿に未来への希望を感じた。自然とふれあう喜びあふれる機会をたくさん創っていきたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)