2017年2月23日木曜日

よいしょー、よいしょー

横浜YMCA地域交流事業「Rice cake pounding with Japanese families (日本の家族と一緒に餅つき体験)」プログラム実施のご報告
 横浜YMCA では、独立行政法人 国際協力機構 横浜国際センター(JICA横浜)の海外研修員の地域交流事業を受託し行っています。研修員の方々には日本への親しみと、多くの地域の方々には国際協力や海外への関心を深めて頂くなど、相互交流の機会を設けています。
 2月18日にタイ(航空保安セミナー)2名の研修員が、YMCA東かながわ保育園で行われた親子餅つきの会に参加しました。日本の餅つきを体験するのは初めてと話す研修員たちの母国、タイの主食は米で、その消費量は日本をはるかに上回るほどであり、研修員たちも日本の米文化や米食品に大変興味を持っていました。
 まず餅つきの始まる前に普段日本で食べられている米の種類、餅つきの行事の意味や手順、道具の説明を聞きました。調理室で蒸されたもち米を見せてもらうとタイで食べている米との形の違いに驚いていました。
 
 その後園庭に出て、実際に保護者の皆さんと一緒に餅つきに参加しました。蒸したてのもち米が運ばれてくると、まずは杵で米をすりつぶす作業を行いました。男性の研修員が体験しましたが、最初は米をつぶす感覚がつかめず、戸惑っていました。見様見まねで杵を動かし、もち米がひとかたまりにまとまってきたところでようやくつく作業へ。初めて杵を持った女性の研修員はその重さに少しよろめいていましたが、餅をかえす係の人と息を合わせて楽しそうに餅をついていました。園庭のあちらこちらから聞こえる「よいしょー、よいしょー」と掛け声に、「この声は何の意味がありますか?」と不思議そうにしていましたが、リズムをとっているとわかると研修員たちも一緒に声を出して、他の人を応援していました。タイには餅つきの習慣はないそうで、多くの人が集まって一緒に作業をする日本の餅つきは大変だけど楽しいと他の参加者との交流を喜んでいました。
餅がつきあがると室内へ移動し、お待ちかねの実食タイム!つきたての餅を職員の皆さんが手際よく丸めてあんこ、きな粉、海苔醤油の3種類の味付けで頂きました。研修員たちはつきたての餅に「柔らかくて美味しい。いくつでも食べられそう」と感激していました。タイでは日本の“大福もち”や“イチゴ大福”が人気で、あんこは食べたことがあったそうですが、特に海苔醤油の組み合わせが気に入ったようでおかわりをしていました。園児たちがお餅を美味しそうに食べる様子に「みんな可愛いですね。自分でお餅を食べるのも上手ですね」と目を細めていました。保護者の方から研修員へ何味が好きかと質問されると「ショウユとノリ!」と日本語で答え、周りの人と意気投合するする姿も見られました。
餅つきに参加したタイの研修員たちにとって、同じ米食文化でも米の種類、調理の仕方も異なる日本の餅つきは大変興味深かったようです。また、沢山のご家族、職員の皆さんと一緒に作業ができたことも素晴らしい思い出になったと感想をのべていました。
 これからもYMCAでは研修員と地域の人々とのふれあいの場を大切にし、日本の文化や歴史について学ぶ機会を作っていきたいと思います。
(JICA-YMCAデスク 野田真由美、石川義彦)