2015年3月10日火曜日

総主事コラム プログ 2015年3月

「思いを忘れない」

私は地震があったとき 混乱していた 
私はこれから 地震の事を 考えながら生きよう
また地震が来る こないわけがない またぜったいに来る 
その時は 今度の地震の リベンジだ
今度は パニックにならず 自分の身を守り みんなを守れるように リベンジだ
(小6 佐藤 和香

 東日本大震災から4年を迎える。震災から数カ月後の宮城県塩釜市の小学生の詩だ。震災直後は、何もできなかったが、避難所でお手伝いをしてほめられ我に返り、失った命を思い書いた詩だ。
 先日、釜石の軌跡と呼ばれる防災教育を推進した群馬大学の片田敏孝教授の防災講演を聞いた。震災当日、全校生徒が帰宅し、海辺で釣りをしていた子どもたちもいたが、避難する予定だった学校が津波に襲われたにもかかわらず、より高いところに逃げて、ほぼ全員が助かった。さらに逃げようとしない大人たちを説得し多くの人々の命を救った。
 子どもたちは、学んだことをしただけだから「奇跡ではなく実績といってほしい」と語る。教育の力を感じた。
 津波から逃げないと命を失うという教訓を実践的に学び、その時、何をすれば良いのか、そして自分の命だけでなく、大切な親や家族、友人など他者の命をどのように守るのかを真剣に考えたことが実を結んだ。
 震災の犠牲になった人々、避難している人々の思いを忘れず、自分の命と他者の命を守る働きを強めたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)