2026年4月1日水曜日

140 years of HISTORY Vol.25 VISION’90の策定

横浜YMCAでは、1987年11月、21世紀に向けた横浜YMCAの使命と組織的課題を整理するため「21世紀を迎えるYMCA研究委員会(翌年、VISION’90委員会に改称)」が発足しました。

委員会では各界の講師を招いた勉強会を重ねたほか、2つの委員会を組織し、多角的な検討を行いました。ひとつは、ユース・エンカウンター・アクション(YEA)委員会で、次代を担う青年たちが、先達や学識者へのインタビューを通じてYMCAスピリットを学び、自らの生き方を模索しました。次に、キリスト教の今日的使命についての研究委員会が設置され、YMCAに関わる牧師らにより、人間の問題を考えるYMCAとして、プログラムを通じて何を伝えるべきかが議論されました。これらの委員会での検討や活動を統合し、1990年5月に「横浜YMCA VISION’90」を策定しました。ビジョンでは、来たるべき「地球時代・多元社会・生涯学習社会」を見据え、異文化理解や地球市民意識を育む共同体の形成と、全人的な成長を願う生涯学習の場の提供を目指すものと定義しました。

YEAキックオフに集まり学びを深めた
ユースの皆さん
(1989年6月 於 横浜中央YMCA)




相知無遠近、萬里尚爲鄰

上海YMCAと光州YMCA、横浜YMCAは、1989年以来2年に一度持ち回りで三都市YMCA会議を開催しています。国どうしの関係性に縛られない、都市間交流を重視していて、それぞれの独自性を尊重しつつ、同じYMCAとしてお互いを理解し合い、共に歩んでいる会議です。昨夏は横浜で、その2年前の上海で開催された時に作成された記念の掛け軸を3つのYMCAが同じものを持っています。横浜YMCAの掛け軸は総主事室にあり、そこには、「相知無遠近、萬里尚爲鄰」と書かれています。中国唐代の詩人、張九齡による「送韋城李少府」の中の一節だそうです。「友に遠くも近くもない。万里を離れていても、隣人のようなものだ」ということのようです。イエス様が最も重要な掟として示された「隣人を自分のように愛しなさい」を合わせて考えると、本当に大切なメッセージと思っています。この10文字のメッセージは、大阪で昨年開催された関西万博の中国パビリオンの外壁に刻まれていたくらい有名なものであるということを閉幕してから知りました。

サザンオールスターズの「ピースとハイライト」という曲に「希望の苗を植えていこうよ 地上に愛を育てようよ」と繰り返されるフレーズがあります。曲は、世の中に悲観せず「色んな事情があるけどさ 知ろうよ互いのイイところ!」「愛することを躊躇わないで」と聞く私たちに呼びかけて終わります。

互いを知ろうとすることをまじめに行い、遠く離れた友を大切に想い、平和のために働き、平和を作り出す人を育んでいきましょう。

「善を行い、平和を願って、これを追い求めよ(ペトロの手紙Ⅰ 3:11)」この聖句を1年間皆様と一緒に大切にしていきたいと思います。

                             (総主事 佐竹  博)